’01,6,1〜3 立山


 恒例、初夏の立山。今年も6月第一週、金・土・日の2泊3日での入山。メンツは、今シーズンほとんど共にの高橋夫妻。予報はまずまず。雪は立山。

 1日目。
 ちと、もたついてた所為で1便に乗り遅れるも、なぜか黒部平にて追い付く。天気快晴。ロープウェーより見下ろす「たんぼ」は、今だ一面雪世界。昨年よりも少ないとは聞いていたが、どうしてどうして、これだけあれば充分だ、帰りのコースは決定した。
 ロープウェーの中で一人のテレマーカーに話しかけられる。藤田氏。粉犬@堀川氏の仲間だ。初対面ではあるが、そこは、しかし、同じ板に乗る者、旧知の感覚にて至福の時を称えある。その藤田氏、今回数人のメンバーにて雷鳥沢に天泊するそうだが、室堂の集合写真でのマイヨグランペール、伊達ではなかった。3日目、浄土を駆け回る姿、まさに山岳王、凄い人(その1)だった。
 室堂にて堀川氏、寒長氏と会う。久しぶりだ、あの武尊は何月だったのだろう?。仲間の人達も含め、みんなで記念写真だ。うわぁ、凄い人(その2)がいる。100Pもあろうかと思うザックの二段重ねだ。何が入っているのだろうか?、きっと、お酒だろう・・・(後で知ったのだが、Sarcの代表、久我氏だそうな、TAJの公認指導員だそうな、結構タメ口で話したようなぁ・・・まぁ、いいか)。
 本日の予定。雄山登頂、御前谷滑降、登り返し、山崎カール滑降、みくりが池泊。
 まずは雄山。3003m山頂は昨年よりも随分雪が少ない。マッキーが側にいた女の子を軟派して5人で記念写真。そして御前谷。大汝を目指す高橋夫妻と別れ、いざ40°。先シーズンはみごと滑落した妻も、今年は絶好調。標高差220mにとどめておいた登り返しもまた楽しい。最後、山崎カール。上部の急斜で制動に失敗しみごとガレ場に突っ込む。痛い!膝が・・・手が・・・よりもエッジが!・・・逆立ってしまった。


室堂

雄山登る

雄山山頂

御前谷滑る


大汝踏む

山崎カール準備

ローソク岩滑る

雪原歩く

 2日目。
 本日の計画。雷鳥登り上げ、剣沢滑降、登り返し、別山縦走、真砂滑降、登り返し、内蔵助滑降、登り返し、大走り滑降、みくりが池へ帰る・・・と、考えたのだが、どうみても長過ぎる。登り返しはともかく、別山縦走が問題だ。プラブーツでガレた岩の登り下りを1時間以上もしなければならない。おまけに予報に反して天気もいまいち定まらない。よそう。で、縮小案。大走り登り上げ、内蔵助滑降、登り返し、真砂滑降、登り返し、大走り滑降、みくりが池へ帰る。まぁ、去年と同じだが、去年はほとんど視界が無かった。今年はなんとか全貌を見たいものだ。決定。
 まず、大走り登る。時々青空が覗くも、なぜか白いものが舞っている。時季柄、綿毛かとも思ったがどう見ても雪だ。6月に雪、さすが立山だ。真砂岳稜線。曇り空なれど視界良好。内蔵助滑る、そしてトラバースぎみに内蔵助小屋方面へ登り返す。しかし、このあたりから、天気の不安定さがあらわれ始める。風、霰、そして霧が一面を被い尽くすことにより、真砂滑降はあきらめる。稜線は横殴りの雪・霰、顔が痛い。やっとの事で大走り滑降モードに入り、谷に入った頃、霧より抜ける。
 このまま真直ぐ帰っても時間が早い。どうせなら地獄でも見て行こうか(どうせみんな、本物の地獄なんて行けないだろうから)。で、途中、雷鳥沢の堀川氏らの天場を訪問。う〜ん、やたら寒そうだ。天気もこれでは、やはり、飲むしかないようだ。その後、宿に戻った頃より土砂降りの雨になった。「辛いだろうなぁ〜」と、みくりが池の温泉の窓より外の雨を眺め思った。


大走り登る

内蔵助滑る

内蔵助下部

内蔵助登り返す


真砂カール見る

稜線すさぶ

大走り滑る

地獄巡る

 3日目。
 快晴!見事な青空だ。嬉しくて、思わず早朝の散歩などをしてしまった。しかし、気温はやはり低い。昨夕の水溜まりは全て薄氷と化している。何分もしないうちに体が冷えきり、宿へと引き返そうとした時、凄い人達(その3、その4)に会ってしまった。最近、時々「HP見てます」と話しかけられる事があるが、実は以前、BBSに書込みまでしていただいていた2人だった。特に彼女の方は、高崎在住、隣組みたいなものだった。で、どこがこの2人、凄い人達(その3、その4)なのかと言うと、テレ1年目で龍王のカール、重荷担いで平然とテレマークターンで滑り降りてしまった。先日のじゃどうずのきよい氏にも驚いたが、テレ1年目です。10年やってても、もっと下手な人沢山知ってます。ハサマさん、ミムラさん、おそれいりました。
 今日の行動。まず、浄土を登る。雪の付き方が良かったので、一ノ越へは行かないで、直接浄土を登る。そしてカールをまず1本。追ってアルペンの一団が滑ってくる。そして登り返した頃、Sarcのグループが滑り降りる。さすがに上手い。第二ステージは龍王のカール。先のハサマさん、ミムラさんを交えダイナミック・ダウンヒル、東一ノ越への夏道ラインまで滑る滑る。しかし、まだ物足りない2人だけ、雄山目掛けて再び登る登る、ひたすら登る。落ちてくる小石を交わしながら登る。そして御山谷目掛けて滑る。最後はたんぼ。


出発

浄土登る

浄土カール滑る

浄土、後が剣


龍王カール滑る

御山谷(雄山側)滑る

東一ノ越

たんぼ滑る

 奇しくも6月3日は結婚20年目の日だった。高崎カトリック教会にて挙式を上げ、婚姻届けを出したのがちょうど20年前、1981年6月3日だった。本来ならば、記念日と言う事で、想い出の場所とか、そんな所で静かに祝うのが常道なのだろうが、とりあえず今は雪、テレマークが優先だ。妻もそれは承知だと思う。しかし、いくら好きな事とは言え、毎週・毎日、身を削るような登り返し、泣き言一つ程度にて付いてくる妻には感謝する。きっとこんな性格ゆえ、何も言えないで終ってしまいそうなので言っておこう。「ありがとう」。

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