自律神経失調症と言うのがある。
傍から見ると何の症状も見えないので、怠け病と思われたりするが、本人は結構辛い。
数年前の夏、突然体調不良に陥り入院した。10日間、あらゆる検査をしたが異常は無かった。
その後回復し、また発症の繰り返しで、結局、自律神経失調症と診断された。
それが、しばらくなりを潜めていたが、久々にやってきた、悪夢だ。
朝、パソコンのログオンが出来ない。
…そうだ、山へ行こう。
しかし、平日の今頃の時間、一緒に行ける相手が居ない。
ニュージーランドでは一人で山に入ると馬鹿と言われるそうだ。
…そうだ、馬鹿になろう。
オグナほたか、closeしたスキー場にあたりまえだが人陰は無い。
リフトなら15分もあれば登れるゲレンデを1時間20分掛った(標高差520m)。
そこから前武尊まで後30分掛った(標高差220m)全てツボにての直登だ。
open前に来た時は5時間ラッセルした、それに比べると随分と早い。
オグナ像はまだまだ胸まで雪の中だ、この分だとGWでも充分楽しめそうだ。
剣ガ峰が見える、よし、登ろう。
急だ!、若干クラストぎみの上に先週末の雪が粗目の形で10cm程積もっている。
キックでステップを作りながら、慎重に登って行く、なんとか登頂成功。
山頂で鹿らしき足跡発見、何しに登ってきたのだろう、滑った跡は無い、またツボで下ったのか?。
滑りもしないのに登って、何の価値があると言うのだろうか、鹿の考えは解らない。
そして、いよいよ自分(馬鹿)が下る(滑る)番だ。
「いやぁ!とぅ!はっ!…」掛け声は出るのだか、なかなか足(スキー)が出ない。
きっと、清水の舞台から飛び下りるってこんな気持なのだろう…か?。
意を結して飛び出す!山廻りから谷廻りへ!…廻った!次!って言う所でエッジが流れた。
粗目と一緒に20m落ちた。
悔しいのでもう一度登り返す、で、2ターン目でまたエッジ流れ、10m落ちた。
いつしか、雪の魔術に体調は戻っていた。
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