2,11 雨飾山

 三連休と言えども、三日完全に休めるなんてぇのは、一流企業のサラリーマンか、アウトローな自営業者ぐらいでして…ともかく2人、金曜日早朝、車を飛ばす事2時間半、白馬駅前にてもう一人のアウトローサラリーマンを待つ事になっていました。でも…来ない。ようやく来たのは8時、なんと渋滞で東京2時に出て6時間かかったそうなジムニーで…可哀想に。結局、これがこの日を象徴する、まず第一の出来事でありました。
 天気は小雪、目標は雨飾山、山田旅館の下のスノーシェードに車を止め、AM9:30出発、先行パーティーのトレースをそのまま進む。雪質は先日の寒波で新雪が1メートルあったとかで柔らかい。ほとんど底なしのパウダーだ。トレースがあるとはいえ登りにくい事極まりない。しかし先を行く大出・西沢コンビやたら早い、本当に早い、競うように早い、な、なんか早すぎない!、アッと言う間に100メートルぐらい離される、「ちょ、ちょっと待ってよ〜ぅ!」スタスタスタ…「やっと、追い付いたぁ〜、えっ、もう行っちゃうの」スタスタスタ…「待ってよ〜ぅ!いじめだ〜!」なんて事のくり返しにて、とにかく順調に高度を上げる。P4へ登るあたりから雪は本降りになり、汗と雪でウェアーはびしょぬれ、尾根筋の強風にてそれが凍る、バリバリバリ。P3あたりにて先行1パーティー(4人)を抜く。P2下でトップパーティー(5人)に追い付く。もうこの先にトレースは無い、いよいよラッセラ〜大出の出番だ。しかしそのラッセラ〜いつもの馬力が無い。やはり寝不足がたたっているのか、それとも先ほどの競い合いが響いたのか、すぐにクライマ〜西沢と交代。そして西沢、強い!(9月にスズメ蜂に追い掛けられ滝壷に落ち、踝靱帯断絶して、もっか、リハビリ中だとは決して思えない)凄い!。そしてそして、やっと出番だ!う〜ん、ラッセルラッセル、40°あるとか言う斜面をキックターンを交えながら、登っていく事数十メートル、「この斜面おもしろいねぇ〜、深さ10センチぐらいの所でずれていくよ」…。 せっかくラッセルして登ったのに、斜滑降で慎重に降りていく、「あ〜っ、恐かった、あれが弱層って言うやつだったんだ…」またひとつ勉強した不良一行、とりあえず1800M地点あたりまで高度を下げ、あとは「まっ、いいか〜ぁ!」って感じにて、頭からのパウダー三昧、7時間を掛けたツアーは無事終了したのでありました。
 帰り白馬周辺の大渋滞、やっと見つけた温泉(山田旅館、客が多いとかで入れてくれないんだもん)も大混雑(芋洗いの芋の気持が解ったような) 。夕飯食べるとこも無し、コンビニ(も大混雑)弁当仕入れて、一日参加の大出君を見送り、「道の駅・白馬」を今夜の宿とし、眠りについたのは夜の10時でありました。

老舗「山田旅館」

ラッセラ〜大出

P4下、ランチ

クライマ〜西沢

P2上、1880M地点

パウダー1

パウダー2

パウダー3

2,12 大渚山

 「じ、地震だ〜ぁ!」車が大揺れで目が覚める。見ると見覚えある顔、朝7時、本日より参加の板垣じいちゃんの登場にて、大渚山ツアー始まり始まり〜ぃ(あ〜ぁ、目覚め悪り〜ぃ…)。
 昨日と同じスノーシェードの中に車を止め、山田旅館までしばし担ぎ、旅館裏手の坂を登るべく準備をしていると…「あっ、ストック忘れたぁ〜」よくある話です。とにかく車まで取りに戻る(若干の時間のロス)。 でもでも、おかげで若旦那登場!昨日は交通整理とか忙しかったらしく、たいした会話が出来なかったが、今日はテレマーカーと見るや否や走って寄ってきた。「どちらへ登られるんですか…?」いいなぁ〜、作業ジャンバー姿でも何処か気品がある、「よっ! テレマーク界の貴公子!アイルトン・セナ!」(な〜んて、おべんちゃら使ってどうする!)。とにかく、コースやらもろもろ話が出来て良かったです、ありがとうございました。(…そ〜ぅか〜ぁ、雪崩たら、それより早く滑ればいいのか〜ぁ)
 天気快晴!10時よりの本日のツアー、思ったよりも状態の良い大渚山東壁を滑り、思った通りのモナカ&クラスト樹林帯を落ち、7時間にてやっと終了。そのまま熱湯(あつゆ)のポカリスエット温泉にドボン!。そして、再び今夜の宿「道の駅・白馬」に戻り、明日参加の清水さんを向かい入れ、日が変わるのも忘れ、飲み、食い、明かし、明日はど〜なる事やら。

雨飾山

ランチ

湯峠

大渚山

山頂、東端

山頂、東端より西端

東壁1

東壁2

薮遊び

名菓「大渚最中」

ふきのとう

熱湯

2,13 雨飾山

「明日、どうする?」
「雨飾行きてぇなぁ〜…」
「だ、だって、昨日行ったもん」
「行って無いもん…雨飾行きてぇなぁ〜」
「今日の天気じゃ、明日カリカリか最中だよ〜」
「雨飾行きてぇなぁ〜…」
「り、林道長いんだよ〜、P4の登りきついし…」
「雨飾行きてぇなぁ〜…」
「わ、わかったよ〜ぅ、行くよ〜ぅ」

 で、目覚めると雪だった。山田旅館の周りも圧雪(若旦那に挨拶に行ったが志賀とかへ行ってて留守だった)林道には今日は先行者のトレールは無かった。昨日のトレースも新雪にてほとんど消され、まさにラッセルラッセルの世界が目の前に広がっていた。とりあえず、本日参加の清水さんをラッセル隊長に任命(なんてったって、余力が一番あるだろうし)三日間で一番長くなりそうな一日が始まったのでありました。林道よりP4の取り付きに行くにしたがって新雪は深くなり、ついに深雪へと交わり、変わり、ラッセルをより困難なものへと変えていった。問題のP4直下の登り、まずは隊長が果敢にアタック!続いてクライマ〜西沢!そして三番手に…「ちょ、ちょっと待ってよ〜ぅ、置いていかないで〜ぇ!」なんと、ラッセルしながら登るクライマ〜西沢に、後の三人が追い付かない…。P4までの登りを一人でラッセルしてしまった…なんてぇやつだ!。P3からP2下の1800メートル地点にて登り始めて6時間、一応学習能力のある一行はここを本日のピークと決め、記念撮影。後、パウダーの中の人になったのでありました。下りにあと3時間を要し、ヘッドランプの灯りに助けられ、山田旅館に辿り着いたのは午後6時半。9時間に及ぶツアーがやっと終了し、3日目にしてやっと入れた山田旅館のお風呂…であったが、それは、思ったよりも狭く、不味く、「う〜ん風呂は熱湯のポカリだな」と、またひとつ勉強した不良一行でありました。


マ〜ビ〜&清水@榛名

キャンプ場

ねこやなぎ

P4下、ランチ

コーニス

気付け薬

P2下、1800M地点

パウダ〜板垣

パウダ〜西沢

パウダ〜清水

ジャンパ〜板垣

ナイタ〜終了

 とにかく2泊3日(西沢君は4泊3日)車中泊ツアー無事終了しました。
 西沢君、大出君、板垣さん、清水さん、ほんとうに御苦労さまでした、そしてありがとうございました。途中に行き交った、テレマーカー、山ボーダー、先行してトレールを付けてくださった、山屋さん、そして貴重なアドバイスをしてくださった山田誠司さん、ほんとうにありがとうございました。

”Earn your turns.”

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