’01,10,5〜7 『THE OCTOBER COUNTRY』 in 平ガ岳 


 ……いつの年も、末ちかくにあらわれ、丘に霧が、川に狭霧がたちこめる。昼は足早に歩み去り、薄明が足踏みし、夜だけが長々と坐りこむ。地下室と穴蔵、石炭置場と戸棚、屋根裏部屋を中心にした国。台所までが陽の光に横をむく。住む者は秋の人々。秋のおもいを思い、夜ごと、しぐれに似たうつろの足音を立て……

「10月は黄昏の国」 - Ray Bradbury - 



闇 シルバーライン

大倉山

奇 玉子石

平ガ岳

 昨年に比べてテントの数が少ない、7張(昨年は20張以上)。そして、翌朝の皇太子道路経由にて上がって来るお遍路さん(100名山巡り)の数も少ない(半分以下か?)。妻曰く「100名山巡りの人って、1回登ったら2度と登らないから、もうみんな登っちゃったんじやないの…」なるほど、言えてる。
 我が家はとりあえず「3名山」。冬の武尊、夏の芳ヵ平、そして秋に一度だけ平ガ岳。


 特別軽量化されてる訳でも無い我が家の装備なれど、中でも一番の重量物がテント。お遍路のおばさんに「変ってる〜ぅ、猫岩みたい〜ぃ」なんて言われたが(猫岩ってなんなんだ!礼文・桃岩の沖合いのやつか?)実は、今は亡きビル・モスの手によるStarDome2。ガサは有るわ、重いわ、結露はするわ、張るのに手間はかかるわ、担ぎの天泊を考えたら決して良い品物では無い。それでもこれを使い続けるのは、そのデザイン・形・色。見た目の良し悪しは主観が多分に左右するとは言え、このテントに関しては異論をとなえる人は少ないはずだ。まず形からがモットーの我夫婦の自慢の一品である。
 そして今回、登り7時間下り5時間を支えた秘密兵器3種「CW-X、杖、アミノバイタル(秘密でも何でも無いか)」。特にアミノバイタルって初めて飲んでみたが、不味い。が、心持ち足取りが軽く感じられた…ような気がする。ドーピングうんぬんなどと言うのは無論無い訳だし、何を飲んでもかまわないのだが、その薬で補った分どこかに歪みが来るような気がしてならない。で、極力その手の部類は飲まないようにしていた。これもひとえにQちゃん効果か…。それにしてもアミノバイタルって何なのだろう?危険な味だった…。


 初めて平ガ岳に登った時、そのメンバーにI氏がいた。先のシーズンに踝を痛め、まだリハビリ中であったためか、キャンプ地まで登りながら、あと30分の山頂へは行かなかった。他のメンバーにて山頂に立つも、I氏への思いやりからか(嫌味からか)、その山頂を「最低の山頂」と名付けた。「いや〜ぁ、最低!最低!Iさん行かなくて良かったよ、最低の山頂だよ」。そして今回、その最低の山頂へ登らずに下山、また来年も来るし、こう言う山も良いかもね、何しに登ったん?キャンプしに登ったん。…なんか、大人になったな〜ぁ。

 蕎麦です。
 蕎麦と言うのはある程度より上の物(あきらかに不味いとか、普通とか言ったものを除いたもの)に関しては、時期(季節)、時の体調、そして主観が多分に影響すると思う。そんなのを踏まえて、自分なりに凄く旨いと思った蕎麦を3つ。信州・新行「美郷」、戸隠「そばの実」そしてここ湯之谷村「薬師」。魚沼地方はもちろん「へぎ蕎麦」なのだが、今回は「てんざる」。う〜ん、やはり凄く旨い。

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